【歩】診断
徐々に減っていく私の食事量。
朝ごはん、夜ごはんはキャベツ3枚を刻んで、塩を振ってレンチンしたものだけ。
学校でのお昼のお弁当箱も段階を経て小さくなっていった。
80グラムのおにぎりと1/2こ分のたまごを使った玉子焼き。
友だちから、少なすぎと毎日のように言われて嫌だったな。。
1番嫌だったのは、友だちからのお土産お菓子。
そんなの食べたら太っちゃう。
なにかと理由をつけて、逃げてたわ。
少しすると、その小さな少なすぎるお弁当すらも食べられなくなって、0キロカロリーゼリーのみ。
友だちと食べることなんかできなくて1人食堂で隠れて食べてたっけ。。
とにかく、人に食事について言われるのが嫌だったの。
もちろん、大学生では頻繁に行われる呑み会にも行かなかったわ。
さすがに、こんな私をみた母がおかしいと思い病院をすすめた。
私は、頑固に行くのを拒否した。
それが、大学2年生夏ごろ。
そんな食生活を続けていたけど…
秋になる頃、頑固な私もさすがに身体の異常を感じ始めて、病院に行くことを決めた。
そのときは、歩くと背中が猛烈に痛くなって立っていることもままならなくなるという現象が頻繁に起こるようになった。
157センチ、35キロ。
自分では全く痩せているとは思っていなく、むしろ太っていると思っていた。
誰にも言わず、1人で近所の精神神経科病院に行った。
摂食障害…拒食症の診断。
21歳3ヶ月。
このとき、やっぱり…と思ったけど全然深刻には感じなかった。
病気だから、食べられないのは仕方ない、当たり前…そんな風にさえ思っていた。
そして、拒食はさらに進んだ。
回復へのきっかけ。
摂食の歴史を辿って書いていこうと思っていたけど、もしかしたら困ってる人が読んでくれるかもしれないと思い、回復のきっかけについて書いてみます。
単刀直入に言うと、あるカウンセラーさんとの出会いが全てでした。
私は摂食になって、4人のカウンセラーさんのカウンセリングを受けました。
3人も意味ないカウンセリングを受けたので、カウンセリング自体に不信感しかなかったけど…
最後のカウンセラーさんのおかげで、トントンっと回復。
寝ているとき以外は過食嘔吐を繰り返していた引きこもりは、今やパリっと正社員として働く既婚女になるとは…。。
治療としては、家族療法。
カウンセリングは、私だけではなく、母も受けました。
別々に、1人ずつ。
私とのカウンセリングでは、私に自立することや、人(特に両親)を信頼することを導いてくれました。
母には、私を信じること、信頼することを教えてくれたそうです。
私親子は、お互い信じていなかったわけではなかったけど、どっしりとした信頼関係が築けていなかったようです。
土台がグラグラしていたみたい。
それからというと、今まで心配ばかりして少し口うるさかった両親でしたが…。
外に飛び出して過食嘔吐を繰り返していても、それまでなら、しつこく何通もメールが来たり、何回も電話がきたりだったけど、全くこなくなったのです。
私を信じてるから?
私が過食嘔吐のしすぎで動けなくなって困って連絡をしたときは、すぐに駆けつけてくれました。
ただ、私を放置しているだけではないことは、ここでわかります。
この一見無意味に思えることが、私をガラリと変えました。
私はただただ、両親に依存していた甘えん坊だったのです。
自立できていなかった。
心配してほしかった、構ってほしかった。
病気なら、心配してくれるでしょ?
無意識だったけど、否定してたけど、今思えばその通りだったと思うの。
そのことを見抜いたカウンセラーさんは、偉大です。
そのカウンセラーさんを見つけて、嫌々な私を連れて行ってくれた母もまた偉大です。
その治療で、ドン底の私は約1年でバイトに行けるほど回復しました。
ちなみに、そのカウンセラーさんは体重や食事については一切言いませんでした。
【歩】きっかけ
ダイエット。
きっかけは、ありきたりだけどダイエットだった。
もともと、痩せ体質だった私。
でも、高校生の時に思春期太りしちゃって…。
それが、すごく嫌で大学生になってからダイエットを始めた。
最初は、夜ごはんを軽くしたり、お菓子を減らしたり…。
このころは、大食いだったから家族も心配せず、むしろ応援してくれた。
運動で痩せるのではなく、食事を減らすことで痩せようと頑張った。
成果はすぐに現れて、体重は減っていく。
すると、嬉しくなって、さらに食べる量を減らしていった。
エンドレス…。
そんなことを続けていたら、どこでダイエットをやめるべきかわからなくなった。
それに加えて、体重が1グラムでも増えるのがこわくなった。
食べるとデブになる…。。
食べることがこわくなり、最終的には水を飲むことすらもこわくなり、身体に入れるものはグラム単位で測り、口にするようになった。
こうして、私は摂食障害…拒食症になった。
地獄への一歩を踏み出した。